私たちは聖書を信じるプロテスタントの教会です。          【教会目標】 キリストの愛が満ち 福音宣教に生きる教会

2015年5月10日「こんにちは!」

2015年5月10日「こんにちは!」

【聖 書】ルカによる福音書1章26節~33節

【説 教】齋藤 篤 牧師

【説教要旨】

 天使ガブリエルが訪れたのは、洗礼者ヨハネの父となるザカリアだけではありませんでした。エリサベトの懐胎から半年後、もうひとりの女性に、神は妊娠のしらせを告げました。その女性の名前はマリア。後にヨセフという男性を結婚することにはなっていたとしても、この時は、未婚の少女にすぎませんでした。
 ガブリエルは少女に語りかけます。「おめでとう!」と。おめでとうという言葉を受ける理由が、マリアには全く見当たりませんでした。天使の言葉とは裏腹に、困惑するマリアの姿がありました。神の祝福とは、私たちの思いや願いをはるかに超越したところで、働くということを、改めて私たちは知らされます。
 「おめでとう!」という言葉に続いて、「あなたに恵みがあるように」という、天使の言葉が続きます。実は、私たちが日常で交わす「こんにちは!」という挨拶には、多くの言語において、相手の幸福を願い、安否を問うことを語源としています。これは、天使ガブリエルがマリアに対して発された言葉に相通じます。天使ガブリエルの「おめでとう!」という言葉は、「こんにちは!」と訳することもできるものですが、それは、神の一方的な宣言であると同時に、その言葉を受けた側、つまりマリアを心から気遣い、配慮し、幸福を願う神の、愛の言葉に他なりません。
 私たちは、日常で普通に用いる挨拶の言葉が、相手の幸福を願う言葉として用いられているだろうか。そのような問いに真剣に自分自身を見つめたいものです。少なくとも神はそうでしたし、それはマリアだけではなく、私たち一人ひとりに対しても全く変わることはありません。だからこそ、私たちは神の語る言葉に応じる者として、相手の幸福を願い、決してうわべではない挨拶を語るものとされるのです。
 天使の出現に不安を覚えるマリアに対して、天使は、恐れることのない理由を語りました。「主があなたと共におられる」、と。それは一時的に同席するとかという種類のものではありません。主は苦しみの極みにも、とことん付き合ってくださる方です。それだけマリアを愛し、人間を愛してくださっているということです。それは聖書の歴史を貫くテーマであって、私たちもまた、このテーマの中で生かされていることを、素直に喜ぶことができるのです!

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