2016年10月23日 「食卓のモデル」
2016年10月23日 「食卓のモデル」
【聖 書】ルカによる福音書14章7~23節
【説 教】齋藤 篤牧師
【説教要約】
親しい友人などを招いて、共に食卓の場を囲むのは、とても楽しい出来事であると思います。ホームパーティーなどはしばしば、私たちにそのような喜びを与えるでしょう。それは昔も今も変わらなかったようです。主イエスの時代も、人をもてなし食卓を楽しむことは、しばしば行われていました。その宴席で、主イエスは「食卓のモデル」というものを提示されます。それは、私たちの神が、私たち一人ひとりをどのような形で、救いの席に招いてくださったか、ということにも深くつながっていくのです。
まず主イエスは、「上席ではなく末席に着きなさい」という勧めをされます。これは私たちの社会にもよくあるような「謙遜さ」を説く以上の意味を私たちに与えます。上席に着こうとする心理とは、目立ちたい、つまり自分自身のことだけに関心を寄せている姿です。主イエスは、食卓のような集団の中でふるまう自分自身の姿とは、自分自身のことを第一にするのではなく、同席する一人ひとりに心を配りつつなされるものであることを示されます。
主イエスは、身体の自由の利かない人や貧しくされた人こそ、宴会に招かれるにふさわしいということを仰せられました。普通の社会では目立つことなく、人影でひっそりと暮らす人々が招かれるとはどういうことなのでしょうか。それは、私たちが普段見えないところ、配慮されないところにこそ、気を配ることの大切さを伝えています。誰よりも私たちの神は、私たちの業績や容姿によらず、私たちそのものを愛されて、救いへと導かれた御方なのです。
私たちは神の心配りによって、常に食卓に導かれています。そして聖書の言葉と聖霊様の注ぎによって、私たちは本当に美味で栄養のある食卓に招かれているのです。当たり前にこの食事にあずかれます。ただし、当たり前だからと言って、無碍に断るべきではありません。一回一回の食卓の機会を大切にしつつ、歩む者でありましょう。そして食卓を共に喜びましょう。