2016年11月6日 「一緒に喜んでください!」
2016年11月6日 「一緒に喜んでください!」
【聖 書】ルカによる福音書15章1~10節
【説 教】齋藤 篤牧師
【説教要約】
ルカによる福音書15章は、連続する3つのたとえ話をひとつの章としています。そして、それらのたとえ話には、ある共通したテーマがあります。それは「失われたものが返ってくる喜び」であると言うことができるでしょう。
「100匹のうち迷子になった1匹の羊」、「10枚のうち無くした1枚の銀貨」のたとえ話はどちらも、ほぼ同じ展開で物語が進んでいきます。①失う、②探す、③見つける、④一緒に喜ぶ。この経験は、私たちもモノを無くした時にたどるプロセスなので、とても分かりやすい話であると言えるのです。
しかし、このたとえ話は、私たちにただ単に分かりやすさだけを伝えているわけではありません。主イエスは、このたとえ話を通して、この話が指し示すものが何であるかを明らかにしようとされます。それは、「一人の罪人が悔い改めた時、そこには大きな喜びがある」というものです。つまり、ここで「罪」と「悔い改め」という別なテーマが登場するのです。
そもそも、主イエスがこのたとえ話をお語りになられた背景は、主イエスが罪人や徴税人たちと一緒に食事をしているのを、律法学者やファリサイ人たちが批判したことから始まります。罪人や徴税人たちは汚らわしい存在であり、一緒に食事などしない、排除すべき存在であると思っていた人々に対する主イエスの応答が、このたとえ話だったのです。
罪とは、神と人間とのあいだに出来た溝のことを指します。溝ができれば、その間には交わりやつながりは存在せず、つながりが失われた状態です。この失われた神との関係性を回復するために、神が私たちに臨んでくださったのです。1匹の羊、1枚の銀貨とは私たちのことに他なりません。私たちはその時に、自分の罪を思い出し、主とつながって生きたいという願いが起こされた時に、生き方を方向転換(悔い改め)するよう導かれます。この出来事に、大きな「喜び」が存在するのです。