2016年12月11日 「朝5時半の空を見よ!」
2016年12月11日 「朝5時半の空を見よ!」
【聖 書】フィリピの信徒への手紙4章4~9節
【説 教】齋藤 篤牧師
【説教要約】
外国のことわざに「夜明け前の空が一番暗い」というものがあります。どのような意味でしょうか?大きい不幸な出来事があった時、悪い事が続いた時などに、私たちは絶望感を覚えることがあるかもしれません。しかし、夜明け前こそ一番暗いという思いを抱けば、すぐ近くに明るい未来があることを、希望のうちに抱くことができるという人々の経験から、このようなことわざが生まれたのでしょう。
今は冬至近く。一年の内で一番暗い季節といえます。そのような中で、救い主イエスのご誕生を待ち望む人たちが、クリスマスに希望を託して毎冬の寒い季節を過ごしたのでしょう。この季節の朝5時半の空は、そんな思いを私たちにイメージとして与えるものなのかもしれません。
さて、宣教者パウロはフィリピにたてられた教会の信者一人ひとりに対して、繰り返して「喜びなさい」というメッセージを手紙にしたため、書き送りました。パウロがあえて喜びを手紙の中で強調するのには大きな意味がありました。それは、私たちが「喜べない時」に、どうして喜ぶことができるだろうか?という問いに対するパウロなりの答えが、「喜びなさい」という勧めに込められているのです。
この時、パウロは福音を伝えたことによって、ローマ帝国によって軟禁状態とされていました。つまり、キリストを自由に伝え、宣教旅行することができない状態でした。そのような不自由の中で、彼は決して喜べない状況の中でも喜びなさいと再三再四伝え続けたのです。
そしてパウロは続けます。「主は近い」と。夜明けの太陽が昇る直前が一番暗いように、今は不自由であり闇を思わせるような状況がある。しかし、救い主キリストは私たちのすぐそばにおられるのだから、今一度希望を抱きなさい!そういうパウロの熱意が、私たち一人ひとりの心に、この言葉が刻み込むのです。