2016年6月12日 「あなたは超能力者ではない!」
2016年6月12日 「あなたは超能力者ではない!」
【聖 書】ルカによる福音書10章17~20節
【説 教】齋藤 篤牧師
【説教要旨】
嬉しいことがあれば、自分を愛してくれる人に伝えたい。こどもでも大人でも、私たちはそのような欲求に駆られることでしょう。
主イエスによって宣教に遣わされた72人の弟子たちは、主イエスの名によって病を癒し、悪霊を追い出す権威を与えられました。それを行うとその通りになった。弟子たちは、それによって主にある幸福を得た人々を見れば、嬉しくなるのは当然のことでした。そして主イエスに喜びの報告をします。
しかし、主イエスの反応は弟子たちの喜びに対して「喜び返し」をしたわけではありませんでした。悪霊が弟子たちに従うからと言って喜んではならない、こう仰せられたのです。一見すると、とてもつれなく冷たい反応にも思える主イエスの態度です。
福音書にはしばしば、主イエスの冷静沈着、ともすると冷酷とも取れるような反応を見ることがあります。しかし、そのような主イエスの反応がある時は、必ず主イエスの「深い意図」が込められていることを、私たちは読み取るように促されているのです。
では、弟子たちの喜びとはなんでしょうか?主イエスは分かっていました。一時の喜びは永遠に続く喜びではないということを。神と共に歩む喜びを人間が感じるならば、悪霊を支配する悪魔は、私たちが喜べないようにありとあらゆる手を用いて、私たち人間に揺さぶりをかけてきます。それが知らぬ間に疑う心を持つように私たちを促し、疑いが私たちの心を支配すれば、喜びなどをどこかに吹っ飛んでしまいます。
つまり、私たち人間は自力で良い状態をキープすることができないのです。この弟子たちは、主イエスの力によって、悪霊を屈服させることができたに過ぎなかったのです。その弟子たちに求められているのは、どんな時でも、嬉しくても辛くても、主の助けがあるという一点に立ち、それを信じ続けることだったのです。