2022年10月16日「あなたの若い日、あるいは、今日この日に」
2022年10月16日「あなたの若い日、あるいは、今日この日に」
説教:牧師 林 巌雄(日本キリスト教団まぶね教会)
聖書:コヘレトの言葉12章1節
「青春の日々にこそ、お前の創造主に心を留めよ」(コヘレト12:1)
19歳の春に大学に入学したものの、親元を離れ、入試のプレッシャーから解放され、わたしは通学はせず、パチンコと麻雀に明け暮れました。そんな生活を一年続け、これからどうしようかと考えました。
その時、わたしの持っていた、ましなものと言えば、教会生活でした。小さな教会の子ども礼拝を手伝い、また、牧師夫婦と三人だけの聖書と祈りの会に毎週出席し(ご飯もごちそうになり)、牧師と二人だけのキリスト教読書会に参加していました。
当時の自分にとって、まともなことはそれだけでした。小さい頃から教会には行っていましたが、聖書もキリスト教もどんなものなのかは分かっていませんでした。けれども、実家からは遠い町の教会で、それが少しずつわかり始めているような気がしていたのです。
言い換えますと、大学に入学したものの遊び惚けて、大げさに言えば、何も持っていいなかったわたしにあったものは、冷静に言えば、すべてを失ったわけではなかったけれどもお決まりの軌道を外れたわたしにあったものは、神さま(だけ)だったのです。振り返れば、母の胎にあったときから、神さまはわたしと一緒にいてくださいました。小さい頃から、祈りはわたしとともにありました。祈りを通して神さまはわたしとともにいてくださいました。
そのことが、道に迷った21歳のわたしにあきらかになったのです。わたしを創造してくださった神さまがそれ以来ずっとわたしの横に、わたしとともにいてくださったことが、あらためて示されたのです。このことを、青春の日々に、そして、今日この日に、わたしたちは心に刻もうではありませんか。