2023年11月19日
2023年11月19日
あなたがたに勧めます。あなたがたの学んだ教えに反して、不和やつまずきをもたらす人々を警戒しなさい。彼らから遠ざかりなさい。こういう人々は、わたしたちの主であるキリストに仕えないで、自分の腹に仕えている。そして、うまい言葉やへつらいの言葉によって純朴な人々の心を欺いているのです。あなたがたの従順は皆に知られています。だから、わたしはあなたがたのことを喜んでいます。なおその上、善にさとく、悪には疎くあることを望みます。(ローマ16:17-19)
パウロはローマの信徒への手紙の最終段階で、かなり厳しいことを宣べています。パウロは12章ですでにこのように言っています。「愛には偽りがあってはなりません。悪を憎み、善から離れず、兄弟愛をもって互いに愛し、尊敬をもって互いに相手を優れた者と思いなさい」(12:9-10)。
したがって、上の聖句に「不和やつまずきをもたらす人々を警戒しなさい。彼らから遠ざかりなさい」(16:17)とあるのは、この手紙の読者に、自分の中にある「不和やつまずき」の原因にも気づき、そこから遠ざかることを促しているのではないでしょうか。
「キリストに仕えないで、自分の腹に仕えている」(16:18)も、同様です。わたしたちも、キリストの愛の御心ではなく、自分の思い、私欲に仕えていないでしょうか。相手のため、キリストのため、と思いつつも、その奥には、自分のしたいことをしたいという欲が潜んでいないでしょうか。
わたしたちは周りの人びとだけでなく自分自身をも「うまい言葉やへつらいの言葉」(16:18)でごまかしていないでしょうか。
「善にさとく、悪には疎く」(16:19)とパウロは言います。わたしたちは、キリストの愛の御心にはさとく、自分の欲望には少し距離を置くことはできないでしょうか。
きっとできるはずです。神さまはその愛の御心への「従順」(16:19)な心をわたしたちにくださったのですから。主よ、わたしたちを、自分の欲望ではなく、あなたの愛に従順な者にしてください。(い)